テンプレートと例文で分かる購買稟議書の書き方
購買稟議書は、会社で「備品・事務用品を購入」する際に、ビジネスに必要な事項を承認してもらうために作成する文書です。 テンプレートの例文を引用しながら、各項目毎に、購買稟議書の書き方を分かりやすく説明します。
購買稟議書とは
はじめに、「稟議(りんぎ)」とは個人の権限だけで決定できない事柄を書類に起こし、上層部への回覧とそれぞれの承認をもらう手続きです。
文房具など少額の消耗品を購入する際は、直属の上長の承認で問題ない場合もあります。 一方、パソコンをはじめとする高額商品を購入する場合は、関係部署の承認を得なければなりません。
その意思決定に、毎回承認者が集まって合議しようとすると、時間や手間がかかります。そこで、稟議書を用いた効率化が行われています。
以下では、本サイトで利用できる購買稟議書のテンプレートをもとに、具体的な稟議書の書き方と例文を紹介します。
項目
購買稟議書は、社内の文化や組織体制により、様々なフォーマットがありますが、 一般的に、以下の項目から構成されます。以下では項目ごとに内容を説明します。
- タイトル
- 作成日
- 宛先
- 送信元
- 本文
- 品名
- 金額
- 数量
- 理由
- 添付資料
- 備考
- 承認印
タイトル
「購入」についての「稟議書」であることが一目でわかる題名にします。シンプルに「購買稟議書」でも問題ありません。
稟議の決裁者が内容をある程度理解しているのであれば「○○○○ の購入稟議」など具体的なキーワードを入れることで、 読み手が内容を理解する時間の削減につながります。
作成日
購買稟議書を作成した日付です。作成日で問題ありません。
もし、見積依頼をしている場合は、念のため見積金額の期限を確認しましょう。 見積期限を超過している場合(または稟議中に期限を超える懸念がある場合)は、 見積依頼先へ、確認することをお勧めします。
宛先
決裁の承認を求める上長の宛て名を記入します。 記入にあたっては個人名だけではなく、役職名も書き入れましょう。 例えば「課長 山本健太様」のように記入すると宛先が明確になります。
また部署をまたいで稟議を行う場合は、一般的に部署名を記載します。 例えば、テンプレートの例では「経営企画本部 資産運営部 オフィスサプライ課 総務部長 総務太郎 様」のように記入することで、宛先の認識間違いを防ぐことが出来ます。
テンプレート記載例
経営企画本部 資産運営部
オフィスサプライ課
総務部長 総務太郎 様
送信元
「購買稟議書」を作成した者の氏名を記入します。 その際、氏名だけではなく、作成者の役職名を氏名の前に書きましょう。 例えば「東京地区担当 営業太郎」のように記載します。
また部署をまたいで稟議を行う場合は、部署名も記載します。 例えば、テンプレートの例では「営業統括本部 営業企画課 事業企画グループ 東京地区担当 営業太郎」のように記入することで、宛先の認識間違いを防ぐことが出来ます。
テンプレート記載例
営業統括本部 営業企画課
事業企画グループ
東京地区担当 営業太郎
本文
稟議内容を簡潔に記載します。 定型文として「下記の通り、稟議申請致します。」などでも問題ありません。
具体的な内容を補足するのも、読み手に取って親切なビジネス文書になります。 例えば、テンプレートの例では「下記の通り、営業時の顧客説明用タブレット購入について稟議申請致します。」
テンプレート記載例
下記の通り、営業時の顧客説明用タブレット購入について稟議申請致します。
品名
購買稟議書では、稟議に掛けたい品目名称を記載します。商品に型番などがある場合は、合わせて記載します。 テンプレートの例では「enzeen 社製 スマートタブレット ENZ10-202309 型」のように、詳細な記載としています。
テンプレート記載例
enzeen 社製 スマートタブレット ENZ10-202309 型
見積書や製品カタログなど、さらに詳細な情報は、後述の「添付資料」に添えることで、 必要に応じて読み手が確認することがで、購入物品の認識齟齬を防ぐためにもお勧めです。
特に、購入担当者が、購買稟議書を記載した本人でない場合、商品に詳しくない場合もあります。 品目を一意に特定できる型番などは、記載することが望ましいです。
金額
品名で記載した商品の金額を記載します。この時、記載している金額が、全体金額なのか、1つあたりの金額なのか明確に記載します。 テンプレートでは、1台当たりの金額と分かるよう「1 台 69,800 円」のような記載としています。
テンプレート記載例
1 台 69,800 円
もし、見積依頼をしている場合は、念のため見積金額の期限を確認しましょう。 見積期限を超過している場合(または稟議中に期限を超える懸念がある場合)は、 見積依頼先へ、確認することをお勧めします。
数量
必要な数量を記載します。品名や金額で記載した単位(助数詞)と合わせるようにします。 金額で1台当たりの金額を示していたので、テンプレートの例では「5台」と記載をしています。
テンプレート記載例
5台
理由
稟議の承認をもらえるかどうか、分かれ目となる重要な項目です。
記載する際は、承認者の目線を意識することをお勧めします。 意識するポイントは「なぜ」必要なのか、それを導入すると「どのようなメリット」があるのか、です。 また、もし棄却された場合に発生する「デメリット」も記載するのもお勧めです。
承認者も忙しい合間を縫って、購買稟議書を確認していることを想定して、 訴えたいポイントは箇条書きにすると良いです。
テンプレートでは、営業が利用する顧客説明用タブレットの購入について、例を記載しています。
テンプレート記載例
営業時の提案力強化のため、開発部門の協力のもと説明資料の拡充を実施。
今後も拡充を順次実施予定であり、下記の負荷軽減ならびに経費削減のため、
顧客説明用タブレットの導入について稟議を申請いたします。
・説明資料の持ち運び負荷軽減
・紙資料紛失による情報漏洩リスク軽減
・資料のバージョンアップにともなう印刷負荷軽減
・ペーパーレス化促進による経費削減
添付資料
見積書や製品カタログなど、さらに詳細な情報は、後述の「添付資料」に添えることで、 必要に応じて読み手が確認することがで、購入物品の認識齟齬を防ぐためにもお勧めです。
備考
購入検討の直接的な判断事項(金額や理由)以外で、関係者へ伝えたい内容を記載します。
テンプレートでは、営業課の状況や従業員の健康増進などを、例として記載しています。
テンプレート記載例
営業地域拡充により、営業担当者の移動距離は増加傾向にあります。
従業員の健康増進の観点からも必要な備品と考えております。
承認印
最近は承認印の押印も不要な職場が増えていますが、必要な場合もあるため、テンプレートには載せています。